2014年9月15日月曜日

第1回 はじめに

これまで漢方薬の販売、相談応需を中心に活動してきていますが、
同時に所謂普通の医薬品、院外処方箋による保険調剤にも関わってきています。
そんな中で、これは私のいる地域が特にそうなのかもしれませんが、あり得ない内容の漢方薬が書かれた処方箋が舞い込んできます。
医学部で漢方薬は基本的に教えてはいません。日本では西洋医学をもって医学としていますので、漢方・中医学は医学として認められていません。
なので知らなくても当然かもしれません。これは薬学部も同じです。
ただ薬学部の場合は生薬学が重要なカリキュラムにあたりますから、必然的に漢方に対する知識は持ちます。
漢方薬も薬なのだから他の化学薬品・西洋薬と同じように使えるのではと普通の人は思うことでしょう。しかし、それはとんでもない間違いです。
 西洋医学では、診断名=薬(治療法)となります。診断名、病名が同じなら異なる症状でも原則的に同じ治療になります。
漢方・中医学では弁証=論治。これは病人の症状、様子からえた情報(証)と治療法の一致です。西洋医学的な病名は意味を持ちません。
また、漢方・中医学的な病名もありますが、それも治療法とイコールにはなりません。患者説明用の言葉に過ぎません。
例えば風邪で熱がある場合、西洋医学なら風邪の発熱ということで解熱剤を処方します。 漢方では風邪という病名は何の意味も持ちません。
発熱した時に寒気を感じ、寒くて寒くて仕方がない経験をした方は多いと思います。逆に発熱して体が熱い、火照ると感じたこともあるのではないでしょうか、 漢方で大事にしているのはこの患者感覚です。
寒いと感じているなら温めて治します。熱いと感じているなら冷やして熱を下げます。
例として単純なものになってしまいましたが、漢方にとってこの患者感覚というのが非常に大事になります。ちなみに熱い発熱は解熱剤で楽になります。逆に寒い発熱は解熱剤で下げてもすぐにまた上がってきます。
漢方的な薬性で見れば解熱剤は寒性、冷やす薬ですから寒がっている症状は結果的に悪化させます。
この記事は誹謗を目的に書いているわけではありません。漢方・中医学は、わずか数十年ほど前までは人類最先端の医学でした。
今でも漢方・中医学のほうが優位な治療成績を収める分野も少なくありません。 現状のような本来のルールから外れた確率論的な用い方を続けていれば、いずれ漢方は消滅するでしょう。
このブログは医師・薬剤師だけではなく、漢方薬を飲もうとする、必要とする人たちにも出来るだけ正しく漢方薬を用いていただくために綴っていきます。

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