2014年10月5日日曜日

医者から漢方薬を貰ってはいけない第3回

小青竜湯は花粉症や風邪の咳、喘息などでも使われる一般的にも知られている漢方処方です。同じように麦門冬湯も咳の薬として知っている方は多いでしょう。
 私は漢方薬の専門家ですから分かって当然ですが、一般の方でも多少漢方薬のことをご存じの方、私の記事を読んでくださっている方の中には分かる方も多いと思います。
・・・なんと小青竜湯と麦門冬湯が同時に処方されていました。
呆れるを通り過ぎ苦笑すら出ません。普通にこういうことが起きているのですから医療費の無駄で済まされる話ではありません。
分かっていないことすら分かっていないんですから困ったものです。




小青竜湯は呼吸器にあふれている不要な水を取り除くことで薄い多量の痰や鼻水の症状を改善します。それと体を暖める作用を持ちます。
一方の麦門冬湯は必要な水分が不足しカラカラになってしまった気管に潤いを与え咳などの症状を改善します。そして体を冷やします。
同時に飲んだらどうなる?
上手く行けば全く効かない。
下手をすると好ましくない作用のほうが強く出てしまう事になるでしょう。
 例えて言うなら、お腹がいたいという人がいたので、下痢止めと便秘薬を同時に飲ませたようなものです。

何にでも効く薬があったら良いんでしょうけどね!

長引く症状でお悩みの方! 
◎インターネット漢方相談行っています。
深刻なお悩みに有料相談でじっくり対応させていただきます。
  秀峰堂中学研究所漢方相談室
kampo@syuuhou.net

2014年9月23日火曜日

証って言葉は知っているんだろうけど

例えばですが、例えばですよ。
おそらく胃腸が弱くて病院から六君子湯を処方されて暫く飲んでいる人がいます。まぁこの人の証に六君子湯があっているとします(多くの場合ここすらもあってませんが)。
 八綱弁証では裏寒虚証であり、病位は脾経、太陰病です。
この人が便秘してる場合に、
おそらく某メーカーの営業力の賜物ということでしょうが、桃核承気湯なんかが処方されるわけです。
一時的に大黄甘草湯とか言うなら仕方ありませんが、漫然と六君子湯+桃核承気湯なわけです。
桃核承気湯は八綱弁証で裏熱実証、病位は脾経です。
全く反対の作用を持つ方剤を同時に飲まされているわけで、しかも病気の深さも同じです。
片方で胃腸を温め機能を補おうとし、片方で胃腸を冷やし過剰な働きを排除しようとする。下痢止めと下剤を一緒に飲んでいるようなものですが、これが意外と頻繁にあちこちの漢方出しますよ病院・クリニックで行われています。
言うまでもないですが、こんな処方で良くなる病気はありませんし不勉強で済まされる話でもないです。こんな出し方は漢方薬局の薬剤師では絶対に有り得ないことです。
そんなに間違っているならば処方を変更するように連絡すれば良いと思う方も多いと思います。その通りです、
ですが、残念なことに西洋医学をもって医学としている日本では漢方・中医学の正論は医学として無価値なんです。その上に保健医療の点数請求は西洋医学の病名で行われます。六君子湯で胃腸虚弱、桃核承気湯で便秘の適応が通りますから、全くお手上げです。
このままでは正しい漢方知識が普及されない限り日本の漢方薬はいずれ消えることになるでしょう。 信頼できる漢方専門薬局も、もともと少ないですし、大手漢方薬局チェーンは目先の売上ばかりで高額商品を売りつけることに力を注いでいます。
話がそれてきたので今回はこれぐらいで… 漢方薬は正しく使えば驚くほどあなたの悩みを解決してくれます。そのために正しい知識が少しでも広まればと思います。


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2014年9月15日月曜日

第1回 はじめに

これまで漢方薬の販売、相談応需を中心に活動してきていますが、
同時に所謂普通の医薬品、院外処方箋による保険調剤にも関わってきています。
そんな中で、これは私のいる地域が特にそうなのかもしれませんが、あり得ない内容の漢方薬が書かれた処方箋が舞い込んできます。
医学部で漢方薬は基本的に教えてはいません。日本では西洋医学をもって医学としていますので、漢方・中医学は医学として認められていません。
なので知らなくても当然かもしれません。これは薬学部も同じです。
ただ薬学部の場合は生薬学が重要なカリキュラムにあたりますから、必然的に漢方に対する知識は持ちます。
漢方薬も薬なのだから他の化学薬品・西洋薬と同じように使えるのではと普通の人は思うことでしょう。しかし、それはとんでもない間違いです。
 西洋医学では、診断名=薬(治療法)となります。診断名、病名が同じなら異なる症状でも原則的に同じ治療になります。
漢方・中医学では弁証=論治。これは病人の症状、様子からえた情報(証)と治療法の一致です。西洋医学的な病名は意味を持ちません。
また、漢方・中医学的な病名もありますが、それも治療法とイコールにはなりません。患者説明用の言葉に過ぎません。
例えば風邪で熱がある場合、西洋医学なら風邪の発熱ということで解熱剤を処方します。 漢方では風邪という病名は何の意味も持ちません。
発熱した時に寒気を感じ、寒くて寒くて仕方がない経験をした方は多いと思います。逆に発熱して体が熱い、火照ると感じたこともあるのではないでしょうか、 漢方で大事にしているのはこの患者感覚です。
寒いと感じているなら温めて治します。熱いと感じているなら冷やして熱を下げます。
例として単純なものになってしまいましたが、漢方にとってこの患者感覚というのが非常に大事になります。ちなみに熱い発熱は解熱剤で楽になります。逆に寒い発熱は解熱剤で下げてもすぐにまた上がってきます。
漢方的な薬性で見れば解熱剤は寒性、冷やす薬ですから寒がっている症状は結果的に悪化させます。
この記事は誹謗を目的に書いているわけではありません。漢方・中医学は、わずか数十年ほど前までは人類最先端の医学でした。
今でも漢方・中医学のほうが優位な治療成績を収める分野も少なくありません。 現状のような本来のルールから外れた確率論的な用い方を続けていれば、いずれ漢方は消滅するでしょう。
このブログは医師・薬剤師だけではなく、漢方薬を飲もうとする、必要とする人たちにも出来るだけ正しく漢方薬を用いていただくために綴っていきます。